fc2ブログ
OK-ONE動物病院で日々、行っている診療の様子です。
  • 05«
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • »07
2015年04月04日 (土) | 編集 |
モモちゃん 猫 2歳  (不妊手術済み) 

218410_convert_20150403173731.jpg




<飼い主さんコメント>
急にキャットフードを食べなくなり痩せてきた。様子を見ているとゴホゴホ咳をする。
食欲が全くなくなり、いつも行っている病院が休診のため、知人がワンちゃんを連れて行って「良かった」という評判を聞いてOK-ONE動物病院を受診。
レントゲン検査・血液検査の結果、胸腔に液体が溜まっていて肺を圧迫していること、肝臓の数値が高く、肝臓が悪いこと、貧血気味そして脱水状態であることがわかる。
先生に、胸に溜まった液体が膿液なら治療すればよくなる可能性が高いが、それ以外のものなら難しいと説明を受ける。
胸腔穿刺の結果「膿胸でした」という先生のことばを聞いて安堵した。
それから入院生活が始まり、胸に2本のチューブを入れ、膿を出し洗浄する治療を続ける。
出来る限り病院にモモの様子を見に行くようにした。食欲もあり、病院のスタッフさんに「いい子ですよ」と褒められて、胸の膿も少なくなり元気になっていった。
胸の中がきれいになり退院。内服薬(抗生剤と肝臓の薬)と肝臓用の特別療法食で治療を続ける。
そして2月現在、経過良好のため、内服薬を中止して療法食だけを続けています。


<獣医師コメント>
膿胸は胸腔内に膿が溜まった状態を言います。
胸腔全部に溜まる場合と片方だけの場合があります。
他にも液体の溜まる病気があるので、レントゲン検査だけでは何が溜まっているか分かりません。
そのため、酸素吸入をしながら鎮静剤または局所麻酔を使って胸腔穿刺を行い、何が溜まっているかを確かめます。
猫の場合、血液、乳び液、猫伝染性腹膜炎(FIP)の胸水などとの区別が必要です。
膿胸の原因としては、外傷やケンカによる咬傷からの細菌感染が多いと言われています。
初期症状はあまりなく、症状が現れるまで数週間かかります。膿が胸腔に溜まってくるに従い、元気がなくなる、食欲がなくなる、呼吸が荒くなる、咳をするなどの症状が出てきます。
末期になると敗血症、呼吸困難となり体温や血圧が低下して死亡します。
胸腔穿刺で膿を確認したら、先ずできる限り膿を吸引しておきます。状態が悪い場合は前もって静脈点滴を行います。呼吸がある程度安定した所で、麻酔下で胸腔内チューブを装着します。
チューブを通して膿を吸引した後、温かい生理食塩水で胸腔内を毎日洗浄します。洗浄後の液が綺麗になるまで続けます。抗生物質の内服は1~2か月くらい必要です。
膿胸の多くは完治できますが、重症の場合は治療が困難で死亡することもあります。

胸腔内チューブを装着した様子です
(※写真はモモちゃんではありません)
003_convert_20150403174044.jpg

チューブを外した後のモモちゃん
CIMG0269_convert_20150403174004.jpg  

今では毛もはえそろって元気です
IMG_4735_convert_20150404163319.jpg


東温市野田1-18-1
OK-ONE動物病院

スポンサーサイト