fc2ブログ
OK-ONE動物病院で日々、行っている診療の様子です。
  • 05«
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • »07
2015年03月17日 (火) | 編集 |
別宮かるあちゃん(M・ダックス)
IMG_5424_convert_20150317173631.jpg




<飼い主さんコメント>
13歳のかるあは、1歳半でてんかんの発作が起き、2歳から薬を飲みはじめました。今は3種類の薬を飲み忘れないよう飲ませています。
発作は月に数回ありますが、静かに見守っています。
これまでに避妊手術、ソケイヘルニアの手術、腫瘤摘出など、何回かの手術を受けましたが、元気に過ごしてます。
今では、かるあの薬の時間が家族の中心となっていますが、皆がスケジュールを調節したり話し合って、協力しています。
これからもOK-ONE動物病院のお力を借りながら、かるあが安心して生活できるよう一日一日を大切にしていきたいです。

<獣医師コメント>
てんかんは全身のケイレンや意識障害を起こす、脳の疾患です。通常てんかんの発作は数分間続いた後、すぐに回復します。
てんかん発作は、大発作(全身性のケイレン)と、小発作(意識が消失しない軽度の発作)に分類されます。
危険性があるのは、持続性の発作と重積性の発作(繰り返して起こる発作)の場合です。すぐに発作を止めないと命にかかわります。
てんかんの診断は除外診断で行います。発作の起こる原因を除外していく方法です。人間の場合、確定診断は脳波測定で行いますが、動物の場合は麻酔を使わず脳波を測定することは難しく、そのため診断として使うことができません。

かるあちゃんは年に1~2回発作を起こすとのことで2005年5月に当院にかかっている飼い主さんの紹介で来院しました。
除外診断を行い、てんかんの可能性が高いと思われ経過を観察することにしました。2005年8月から11月までの間、毎月1回発作を繰り返すようになり、飼い主さんと相談のうえ、抗てんかん薬の内服を開始しました。
抗てんかん薬の内服を始めると途中で中止するのが難しいこと、6ヶ月に1度は肝機能検査(血液検査)が必要なことを説明しました。内服を止めた場合、次に発作が起きた時に元の薬用量では発作を抑えることができなくなる可能性があるため、また、発作自体がひどくなる可能性があるためです。
かるあちゃんの発作は2010年3月まで1種類の抗てんかん薬でうまくコントロールできていました。しかし、しばらく来院されず、次に来院したのは2010年12月です。
電話があり、別の病院にかかって、てんかんの治療をしていたけれど、昨日ひどい発作が起こり、今日も継続して治療をしていますが発作が止まらず、その病院の先生にOK-ONE動物病院へ行った方が良いとすすめられたとのこと。すぐに来てもらい治療をしましたが、重積発作を起こしていたため状態は悪く、以前使っていた薬では薬用量を増やしても効果がなく、別の薬を加え3種類でコントロールすることになりました。
飼い主さんによると、6月までは当院で以前処方された薬と同じ薬を処方されていましたが、内服を止めてみるように言われたとのこと。
詳しいことはわかりませんが、発作が1回でもあるのなら途中で内服を止めることは通常ありません。2015年3月現在、6ヶ月に1度の肝機能検査を行いながら3種類の抗てんかん薬を使用して、てんかん発作をコントロールしています。
とてもフレンドリーなかるあちゃん。診察台の上でうれしくてしっぽを振りながらお腹を向けてくれます。
飼い主さんと私たちにできることは、毎日の生活の質(QOL)を向上させてあげることです。



愛媛県東温市野田1-18-1
OK-ONE動物病院
スポンサーサイト